自身の心も身体も表在的に自分で認識出来ていることはほんの一部だけです。
人は自分を中心として多くの人と様々な関係をもっています。
当初は両親、兄弟、祖父母などの家族間ですが年齢とともに次第に社会的な人間関係を築いていきます。
普通に生きていくには他人との共存が欠かせないこととなっていきます。
ひとりの人物でも相手に対し様々な自分が存在しています。
相手に対し別々の顔があり、意識も相手に対応し付き合っています。
年齢や状況に応じて自分の役割を感じて、意識的に自分を創り上げていきます。
子供の時、学生の時、社会に出た時、恋愛した時、結婚した時、子供が出来て親となった時、社会的な責任がある立場についた時、様々な状況下で同時にいくつかの自分が存在し、そして役割を行っています。
そしてその中で自分という存在を認識していくのです。
生きていく状況で多くの事柄を経験していきますが、そこに自身の感情が伴い記憶されていきます。
その情報は次々と蓄えられ常に新たな記憶が重ね書きされていきます。
あまり使われなくなった情報記憶は意識のフォルダにしまわれるように記憶領域に保存され自分でも気づかない領域で意識のプログラムの一部となっていきます。
普段、ひとは頻繁に使う事柄に対応すべく表在的な意識で物事に対処していますがその深層には膨大な量の情報が存在しています。
記憶は感情と結びつき現在の事柄に深層からの感情が湧き上がります。
そして本人には自覚することが出来ないところで感情を発し行動し、また記憶として重ね書きしていきます。