若い方に対して

近年、若い方が精神的に不安定になって生じている問題が多いです。

中には日常生活が困難な状態に至っていることも多いです。

引きこもりや摂食障害、リストカット、不安神経障害、うつ、いわば社会への適応がうまく行かない状態です。

若い方の多くは自分が何か行うことに対して周囲の人の反応に非常に敏感です。

人が集まるとその中でおよその主導権を主張する集団が生まれます。

周囲の人々の中で集団に寄り添うような“雰囲気”を作って行きます。

この“雰囲気”は元々、依存的な集団のため、他人と違うことを嫌います。

そのために集団を保つため、お互いにその場の“雰囲気”が大切と感じてしまい、集団の中で違うと感じた者を排除しようとします。

その中で自己主張したりすると異質とみられ、次第に孤立してしまい、精神的に不安に至ってしまいます。

ただこの“雰囲気”の中心軸は不安定なもので主導権は一定ではなく時々によって変化します。そのため、個々がいつそのターゲットになるか不安になります。

その依存的性質により周囲の評価が“ダメ”と判断されると自信喪失に至り、自己否定、自己嫌悪が強くなり、自分自身の存在を肯定することが出来なくなってしまいます。

そうなると自己防衛のため、内にかくれるようになります。

また就職うつなどはむしろ当人の問題というより社会的な構造にも問題があるように思えます。

それは社会的雇用と学校における教育の制度が適応していないようにも感じます。

現在、国が各省庁によって金融、税、雇用、教育、医療、福祉、環境など縦割りで個別に管轄していることにあると思います。

私たちの生活においては全ての事柄は相互的に継っているのですが、政府においては各問題が縦割りに捉えられます。

本来、教育は人が“生きる”ことに対し、向き合い、“学ぶ”ことです。

しかし現実においては学校で勉強した内容と社会に必要な事柄は実質、適合できてないように思います。

今の段階では自らが能動的に就職に必要な“学び”を選択し、臨むようにしなければならない状況なのかもしれません。

現在は以前のように新たに人材育成させる事も企業自体難しくなっているのかもしれせん。

これからの日本の雇用は益々グローバル化していくことと思います。

今までの教育では受動的で与えられた課題をこなしていくことでした。

これからは自らが目的意識を持って情報を集め、整理し、肯定的に“考えて”行動をしてくための訓練を教育に取り込んでいかなければならないのかもしれません。

また、最近よく報道されている若者の就職後の”新型うつ”などは、従来の”うつ病”とはまた違った若者特有な集団依存的性質により、社会適応が以前に比べ、より困難になっているようにも思われます。