性に関することはある意味、扱いが難しいところがあります。
過去、多くの権力者や宗教者が過ちを犯してしまっています。
性は命を育む”上でも大切なことですが、非常にその受け取り方が大事なのです。
性と云うのは大きく二面性を持っています。
それは“愛”と“欲”です。
これは非常に似ているようで真逆の性質を持ち合わせています。
性行為はどちらか一方が自分勝手で行えば、ただの自分本位の欲求を満たしているのみで、相手にしてみれば単なる行為で終わってしまいます。
そこには気持ち良さはあまり感じません。
よく中高年の男性の方が勘違いしているのは、“生殖能力が強いのが良い”と思われていますが、それは大きな間違いです。
自分と相手が肉体的にも精神的にも一体となるときにお互いに絶頂感に達し、そして一瞬でも全てから解放されます。
ヨガではタントラ(密教)による修法があります。
これは人間の快楽をもって梵我一如に至る行です。
そこには性交により自我を超越し、宇宙(神・ブラフマン)と自我(アートマン)が一体となる行です。
会陰部にあるムーラダーラチャクラには生命の根源力(クンダリニー)が存在します。
ヨガ行により、下方からエネルギーが身体内を通ってクンダリニーが頭頂に達したときに自我が超越されると云われています。
性は神に近づく行為であり、あたかも蕾が開いて花を咲かせ、受粉し実をつけるがごとく、生命を生み出す、神聖な行為でもあります。
男性は射精時、極一瞬ですが女性は数分に渡りオーガニズムが持続します。
脳波を調べるとリラックスをしているときに現れるアルファ波のうち周波数の低い領域をスローアルファ波といいますが、その位置で高いポテンシャルのエネルギーを持った状態を”覚醒シータ波”と呼び、深い瞑想状態の時やインスピレーションを受ける時、またヒーリングを行う時にも表れる波形が、オーガニズム時でも現れるとのことです。
究極の性行為は神の領域の近くまで達します。
その一方で性は相手を支配し服従させてしまうことも行います。
そのためお互い付き合うことが良くないのに離れることも出来ず、DVやストーカーなどトラブルに至ることもあります。
まず、男女間で付き合うときは性行為をしてよい関係なのか判断しなければなりません。
それは社会的にも倫理的にも大事なことです。
大切なのは他の人間関係と同様に性においても、お互いの気持ち(良さ)を理解出来ることです。
追記)
性を対象に精神領域で向上をはかる方法や行があります。
インドのタントラヨーガや中国の房中術などが有名です。
あくまでも私の考えですが性によって霊的向上が出来るのはチャクラでいえばアナハタ(胸部)までと思ってます。
愛情が肉体で昇華出来るのはアナハタから下部のチャクラまでで上部のチャクラの開発においてはエネルギーが肉体から精神に移行していきます。
ヴィシュダ(浄化)、アジナ(光明)、サハスラーラ(越我)の上位の各チャクラではもはや肉体からの欲からむしろ離れていきます。
人は悟りを開いても生きているかぎりは人(情)からは離れることは出来ないのも事実です。
性を扱うのは一時的にエネルギーを高め、次の段階で逆に離していくため非常に難しいのです。
あえて高まった性のエネルギーを抑圧してしまうとそのエネルギーは頭に上り逆に性に感情を支配されます。
時間をかけて行うことが大事と思います。